初任給の額を聞いて、あるいは初めての給与明細を見て、思っていた金額と違うと感じたのではないでしょうか?
高卒の初任給は、厚生労働省の令和6年の統計では平均19万7,500円です。
ここから社会保険料や所得税が引かれるため、手取りは16万円台が一つの目安になります。
会社独自の控除や手当、加入している健康保険の料率によって、実際の金額は変わります。
ただ、この記事で本当に伝えたいのは2年目の話です。

自分は高卒で工場に就職して10年働きましたが、2年目の給与明細を見たとき、最初に思ったのは「なんで減ってるの?」でした。
手取りが1万円くらい減っていたからです。
原因は住民税でした。
仕組みを先に知っておけば、明細を見て焦る必要はありません。
減った理由がわかるだけで、給料の見え方は変わります。
- 高卒の初任給と手取りの目安(令和6年の公式データ)
- 給料から引かれている4つのものと、その金額の目安
- 1年目に住民税が引かれない理由
- 2年目に手取りが減ったときに何を確認すればいいか

こうじ|高卒キャリア逆転
- 高卒で工場に就職し、現在も工場勤務10年以上
- 3交代勤務を10年以上続けています(1週間ごとに勤務帯が変わります)
- 「このまま工場で終わるのか」と思って、転職活動を始めました
- 結果は20社応募 → 内定2社
- メキシコの工場へ3年間の海外赴任。
スペイン語はゼロから6ヶ月で現場対応レベルに - 異動先で「仕事をしていれば公正に評価される職場もある」と分かったのが、一番大きかったです
手取りが思ったより少ないと感じたら、いまの経験がよそでどう評価されるのかを一度聞いてみると、判断材料が増えます。
\在職中でも無料で相談できます/
高卒の初任給、手取りはいくら?

初任給の金額は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の新規学卒者の数値です。
所定内給与額なので、残業代や賞与は含まれていません。
手取りは、この総支給額から健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税を引いた残りです。
会社の所在地、加入している健康保険組合、扶養の有無、手当の構成によって前後します。
同じ「初任給19万円」でも、手取りが15万円台の人もいれば17万円近い人もいます。あくまで目安として見てください。
そして、ここで一つ注意があります。
2年目になると、手取りが減ることがあります。
昇給しているのに、去年より少なくなる。
自分はそれで戸惑いました。
高卒の初任給は、手取りで15万円くらいだった

ここまでは全国平均の話です。
自分の場合を書きます。
高卒で工場に入った自分の初任給は、総支給で18万円前後、手取りで約15万円でした。
平均より少し低い水準です。
覚えているのは、支給額のうち4分の1ほどが手当だったことです。
基本給そのものは思っていたより低くて、そこに交替勤務による手当が乗って、ようやく15万円という形でした。
交代制の工場だったので、シフトに入ればその分が積まれます。
逆に言えば、手当がなければもっと少なかったということです。
明細の細かい控除額までは覚えていません。
なので、当時の給与水準をもとにした一般的な控除の目安を出しておきます。
自分の明細そのものではなく、総支給18万円前後だとどれくらい引かれるかという計算例です。

料率は年度や加入先によって変わります。
健康保険は都道府県ごとに率が違いますし、雇用保険の率も改定されます。
あくまで「だいたい3万円前後が引かれて手取り15万円になる」という規模感として見てください。
もらった初任給は、実家に入れていました。
家に入れる分を渡して、残りが自分の使えるお金。
一人暮らしをしていたらこの金額では回らなかったと思います。
ここは人によってまったく変わる部分です。

15万円って、少ないほうなんですか?



高卒1年目としては、極端に低くはありません。
ただ自分も当時は『もう少しもらえてもいいのかな』と思っていました。
その感覚は間違っていないと思います。
「初任給」と「手取り」は違う


求人票に書いてある金額と、口座に入る金額は別ものです。
求人票の「初任給19万円」は総支給額、いわゆる額面です。
そこから社会保険料と税金が差し引かれ、残った金額が手取り、明細では「差引支給額」と書かれています。
流れにすると、こうなります。
- 額面(総支給額)= 基本給 + 各種手当
- 控除 = 社会保険料 + 税金
- 手取り = 額面 - 控除
引かれる割合は、だいたい額面の15〜20%です。
19万円なら3万円前後。
求人票の金額をそのまま生活費として計算していると、確実にズレます。
給料から何が引かれているの?


明細に並んでいる控除は、主に次の4つです。
- 健康保険:病院で3割負担になるのはこれのおかげです。会社と折半で負担します
- 厚生年金:将来の年金の積み立て。これも会社と折半で、額としては一番大きくなりがちです
- 雇用保険:失業したときの給付や、教育訓練給付の財源になります。金額は数百円から千円程度
- 所得税:その月の給料に対してかかる税金。年末調整で精算されます
金額が大きいのは厚生年金と健康保険です。この2つで控除の8割以上を占めます。
ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。住民税が入っていません。1年目の明細には、この項目がないことが多いのです。
1年目は住民税が引かれないのはなぜ?


住民税は、前年の所得をもとに計算されるという仕組みになっています。
今年の給料に対して今年課税されるのではなく、去年1年間の所得に応じた額を、今年の6月から翌年5月にかけて納める形です。
所得税とはタイミングが違います。
高校を卒業してそのまま就職した場合、前年にあたるのは高校生だった年です。
所得がほとんどないか、あってもアルバイト程度なので、課税されるほどの金額にならないことが多い。
だから入社1年目は住民税が引かれないケースが一般的です。
アルバイトの収入が多かった人や、卒業前に働いていた期間が長い人は、この限りではありません。
1年目から住民税が発生している明細もあります。
自分の場合はゼロでした。
つまり1年目は、住民税がない状態の手取りを見ていたことになります。
ここが後から効いてきます。
イメージにすると、こうなります。


昇給したのに手取りが減るという現象は、ここで起きます。
2年目になって手取りが約1万円減った。「なんで?」
2年目の給与明細を見たとき、自分はしばらく数字を見比べていました。
昇給はしているはずでした。
基本給は上がっている。
それなのに、差引支給額が去年より少ない。
1万円くらい減っていました。
最初に思ったのは、そのまま「なんで減ってるの?」でした。
計算を間違えられたのか、それとも自分が何かやらかしたのか。
心当たりを探しても出てきません。
親に聞いて、ようやくわかりました。
住民税です。
前年、つまり働き始めた1年目の所得に対する住民税が、2年目の6月から引かれ始めていた。
学校でも会社でも、そんな説明は受けていません。
明細に新しい行が増えたことにさえ、しばらく気づいていませんでした。
自分の場合は1万円くらい減りました。
金額は前年の所得や住んでいる自治体によって変わるので、全員が同じだけ減るわけではありません。
昇給分より住民税の負担が上回れば、結果として手取りは減ります。



じゃあ、給料が下がったわけじゃないんですか?



額面は上がっています。
減ったのは手取りだけです。
去年が住民税ゼロという特別な状態だったと考えるほうが正確です
明細を見て不安になったら、確認するのは1か所だけで足ります。
控除欄に「住民税」の行が新しく増えていないか。
増えていれば、減った理由はそれです。
金額が去年と比べて不自然に大きい場合は、給与担当に聞いても問題ありません。
聞きにくい話ではないので、自分はもっと早く聞けばよかったと思っています。
高卒1年目から、手取りはどう変わっていく?


この先ずっと15万円のままなのか。
当時の自分が一番知りたかったのはそこでした。
給料は基本給だけで決まるわけではありません。
動く要素がいくつもあります。
| 増える方向 | 減る方向 |
|---|---|
| 定期昇給 | 2年目からの住民税 |
| 資格手当(設備・電気・フォークリフト等) | 昇給に伴う社会保険料の増加 |
| 交代勤務手当・夜勤手当 | 残業や交代勤務が減った月 |
| 残業代 | |
| 賞与 |
大きかったのは資格手当です。
会社によっては、業務に関係する資格を取ると月々の支給に反映されます。
全ての工場にある制度ではないので、自分の会社の規定を確認してみてください。制度があるなら、一度取れば下がらないという点で強いです。
受験費用を会社が出してくれることもあります。
一方で、夜勤や残業を増やして稼ぐ方向は、あまりおすすめしません。
体調と生活時間を削って上乗せしているだけなので、続けられる年数に限りがあります。
自分は10年やってそれを実感しました。
手取りを上げたいなら、まず資格のほうが確実です。
社会保険料は、昇給すれば一緒に上がります。
額面が1万円増えても、手取りは8,000円程度しか増えない。これは仕組み上どうにもなりません。
高卒の手取り15万円って少ない?10年工場で働いた自分が思うこと


当時の自分は「15万円しかない」と思っていました。
同世代で違う道に進んだ人の話を聞けば、なおさらです。
10年働いて振り返ると、見方が少し変わりました。
入社したばかりの自分は、機械の名前も、図面の読み方も、報告の仕方も知りませんでした。
使いものにならない状態です。
それでも会社は毎月給料を払って、先輩の時間を使って仕事を教えてくれた。
今思えば、あの期間は会社が先に投資してくれていた時期でもありました。
だからといって「安くても我慢しろ」と言うつもりはありません。
数年経って仕事を覚えても給料が動かないなら、それは別の問題です。
実際、自分は10年目に環境がおかしいと気づいて転職しました。
言いたいのは順番の話です。
1年目や2年目の手取りだけを見て、この会社は駄目だと結論を出す必要はないということ。
判断するのは、仕事を覚えたあとで昇給の実績が見えてからでも遅くありません。


よくある質問


手取りの少なさに納得できないまま働き続けているなら、「高卒就職はやめとけ」は本当か?ブラック工場に10年気づけなかった自分の話も読んでみてください。
【まとめ】手取りが減ったのではなく去年が特別だっただけ


高卒の初任給は平均で約19万7,500円、手取りにすると16万円台が目安。
自分は総支給18万円前後で手取り約15万円でした。
そして2年目、住民税が引かれ始めて手取りが減ります。
自分の場合は1万円くらいでした。
明細を見て「なんで減ってるの?」と思ったとき、給料が下がったわけではありません。
1年目が住民税ゼロという特別な状態だっただけです。
仕組みを知っていれば、慌てずに済みます。
今の手取りが少ないと感じても、2年目の時点で会社を判断する必要はありません。
資格を取れば手当がつきますし、昇給の実績はもう少し働かないと見えてきません。
動くとしても、その材料を持ってからのほうが確実です。
明細の見方が一つわかった。
今日はそれで十分だと思います。
【高卒が工場から転職する完全ガイド】おすすめの仕事と成功手順


【出典】
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」新規学卒者の賃金
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/dl/10.pdf
この記事は筆者の実体験および公開データをもとに執筆しています。
給与から差し引かれる金額は、勤務先・地域・扶養の状況により異なります。




コメント