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「高卒就職はやめとけ」は本当か?ブラック工場に10年気づけなかった自分の話

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暗い工場の中にいた高卒の若者が、外の明るい世界に気づいて顔を向けるイメージ。中にいると職場の異常に気づけないことを表したアイキャッチ画像

高卒で就職しようと思っていると話すと、やめとけと言われることがあります。

あるいは、もう働き始めてから「この選択は間違いだったのかな」と検索した人もいるかもしれません。

結論から言うと、高卒就職は「やめとけ」ではありません。

ただし、本当に危ないのは学歴ではなく、最初に入る会社をどう選ぶかです。

ここだけが結果を分けます。

高卒18歳で入社した男性が残業代の出ない職場を普通だと思い込み、10年後に外へ出て初めて異常だったと気づき、転職して実績で評価されるまでを描いた4コマ漫画

自分は高卒で工場に就職し、10年働きました。

今ではありえないと思うでしょうが、自分が勝手にやっているだけだろと言われた、残業代の出ない残業、休日返上での有志という名の奉仕メンテナンス、ミスをすれば怒鳴られる毎日。

それが異常だと気づくまでに、10年かかりました。

この記事を読めば、その10年をあなたは使わずに済みます。

判断材料を先に持てるからです。

この記事でわかること
  • 「やめとけ」と言われる4つの理由と、それぞれへの反論
  • 高卒就職で本当に危ないのは学歴ではなく会社選びである理由
  • 高卒でも転職で評価された実際の話(20社受けた結果)
  • すでに働いていて「おかしいかも」と感じたときの確認方法
目次

【結論】高卒就職は「やめとけ」ではない! 危ないのは会社選びだけ

結論高卒就職は「やめとけ」ではない!危ないのは会社選びだけを表すイメージ

高卒で就職すること自体に問題はありません。

問題になるのは、入った会社が働き続けられる環境かどうかです。

実際に、高卒就職について質問が集まる掲示板を見ていると、回答している人たちの立場はきれいに分かれます。

「苦労は少なかった。資格を取って家族を養えている」という人もいれば、「大手は大卒しか採らないから後悔している」という人もいます。

でも、意見が分かれているのは表面だけでした。

どの立場の人も最後は「最初の会社選びで決まる」と書いていたのです。

学歴が結果を決めているのではなく、会社が決めている。ここは自分の実感とも一致します。

じゃあ高卒でも大丈夫ってことですか?

大丈夫です。ただ”どこでもいい”ではありません。
自分は会社選びを完全に間違えて、10年それに気づけませんでした。
その話をこれから書きます

「やめとけ」と言われる4つの理由と、その反論

「やめとけ」と言われる4つの理由と、その反論を表すイメージ

言われる理由には共通のパターンがあります。

ひとつずつ見ていきましょう。

よく言われること実際はどうか
大手は大卒しか採らない職種によります。
現場では実績で評価が逆転します
生涯年収で差がつく奨学金という借金が計算に入っていません
選択肢が狭くなる転職で広げられます。
実際に広がりました
学歴で見下される現場では学歴より仕事の内容を見られます

とくに引っかかるのが2番目です。

「大学に行っておけば」と言う人は、その学費をどうやって払うのかまでは考えていません。

自分の場合、親から「大学費用は出せない」と言われていました。

つまり進学するなら奨学金、それは借金です。

返済しながら社会人生活を始める重さを背負ってまで、大卒という肩書が必要だったかというと、今となっては必要ありませんでした。

そして4番目についても、はっきり書いておきます。

転職先で自分は、大卒の同僚よりボーナスの評価額が高かったことがあります。

現場で結果を出していれば、学歴は評価の材料から外れていきます。

肩書ではなく実績が見られる場所は、確かに存在します。

自分が高卒で就職を選んだ理由は、立派なものではなかった

自分が高卒で就職を選んだ理由は、立派なものではなかったを表すイメージ

自分が就職を選んだ理由は、志が高かったからではありません。

まず、大学費用が出せないと言われていたので、進学という選択肢が事実上ありませんでした。

選んだというより、それしかなかったという状態でした。

そのうえで、勉強も嫌いでした。

あと数年間机に向かうより、早く働いて自分で稼いだお金を自分の好きなように使いたい。

それが本音でした

「やめとけ」と言われる人の中には、同じような理由の人もいると思います。

でも自分は、この動機が悪かったとは思っていません。

問題は動機ではなく、その先で入る会社を見る目を持っていなかったことでした。

【本当の落とし穴】18歳には会社の異常が判断できない

本当の落とし穴18歳には会社の異常が判断できないを表すイメージ

ここが、この記事で一番伝えたい部分です。

自分はアルバイトの経験がほとんどないまま社会に出ました。

だから比べる基準がありませんでした。

ひどい環境に入っても、それがひどいと気づけなかったのです。

実際にどんな職場だったかを書きます。

  • 残業は1日3〜4時間。それが給与に反映されず、無給で働いていました
  • 休日も返上してメンテナンス作業。これも給与は出ませんでした
  • 交替勤務なので、休みの日も仕事が終わったあとも、仕事の連絡が鳴り止みませんでした
  • ミスをすれば怒鳴られ、ひどいときにはビンタをされて鼓膜が破れました
  • 引き継ぎの1時間前から、動悸が止まらなくなっていました

いま書き出すと異常だとわかります。

でも当時は「厳しい職場なんだな」と思っていました。

他を知らなかったからです。

はっきりさせておきます。

残業代を支払わないのは労働基準法違反です。

そして手を出すのは指導ではなく、暴行です。

体に傷が残るなら傷害にもあたります。

「厳しい上司」で説明できる話ではありません。

もし今これに近い状況にいるなら、労働基準監督署や各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。

無料で、匿名でも話を聞いてもらえます。

会社に連絡する前に、まず外の人に確認してみてください。

10年、異常だと気づけなかった

10年、異常だと気づけなかったを表すイメージ

自分がこの環境から抜けたのは、入社から10年が経ってからでした。

抜けようと思ったきっかけは、「もう限界だ」という気づきではありませんでした。

コロナ禍で会社の業績が落ち、給与が6割まで減らされたことです。

休業手当は法律上、平均賃金の6割以上と決まっています。

つまり法律の最低ラインちょうどまで下げられた形でした。

家族を養えなくなり、それで動きました。

つまり自分は、暴力や無給の残業では動けなかったのです。

動けたのは、生活が成り立たなくなったからでした。

そして転職したあと、はじめてわかりました。

新しい職場では、そんなことは一切起きませんでした。

残業代は出る。

休みの日に連絡は来ない。

ミスをしても手は出ない。

前の職場が異常だったと気づけたのは、外に出たあとでした。

10年も気づかないものですか…?

中にいると基準そのものが壊れるんです。
毎日それが当たり前になるので。
だから”おかしいかどうか”は、中では判断できません。
外の情報に触れるしかないんです

これが、この記事の核心です。

会社が異常かどうかを判断するには、比べる相手が必要です。

そして中にいる限り、比べる相手は手に入りません。

高卒就職と進学、どちらがいいのか

高卒就職と進学、どちらがいいのかを表すイメージ

掲示板でもよく聞かれている質問です。

判断の軸を整理していきましょう。

高卒就職が向いている場合進学を検討した方がよい場合
学費を借金せずに出せない学費を出せる、または返済計画が立つ
早く働いて自分で稼ぎたい明確にやりたい専門分野がある
現場の仕事に興味がある資格が学歴要件になる職業を目指す
手を動かす仕事が好き研究職や専門職を志望している

決め手になるのはお金のことだけではありません。

ただ、奨学金を借りる場合は「返し始める時期」と「毎月の返済額」を先に計算しておくことをおすすめします。

数字にすると印象が変わります。

そして進学するかしないかを選ぶより、どちらを選んでも最初の職場を見る目は必要です。

大卒でも同じ落とし穴に落ちます。

高卒は転職で不利になるのか【20社受けた実話】

高卒は転職で不利になるのか20社受けた実話を表すイメージ

不利な面はあります。

ただ、思っているほどではありません。

実際の数字を出します。

自分が転職活動をしたときの結果です。

応募書類通過内定期間
20社5社2社3ヶ月

最初は書類が全く通りませんでした。

原因は学歴ではありませんでした。

自分の実績を棚卸しせずに、「工場勤務です」というだけで応募していたことでした。

やったことを言語化してから、通過するようになりました。

現場での役割、後輩に教えた経験、対応した設備や工程。

書き出してみると、意外に材料はありました。

大卒との待遇差が完全になくなるわけではありません。

そこは正直に書きます。

ただ、現場に近い職種では学歴より経験が見られます。

冒頭に書いたボーナスの話がまさにそれでした。

就職する前に見ておきたい会社の見分け方

就職する前に見ておきたい会社の見分け方を表すイメージ

18歳でも確認できることがあります。

求人票と面接で、ここだけは見てください。

  • 残業時間が書かれているか。書かれていない、または「1日平均」で濁されている求人は要注意です
  • 年間休日数。105日を下回る場合は、休日出勤が前提になっていないか確認してください
  • 基本給と手当の比率。手当が大きいと、その手当がなくなった瞬間に生活が変わります
  • 離職率や平均年齢。若い人だけの職場は、続かない理由があることもあります
  • 面接で残業や休日について質問できるか。嫌な顔をされたら、その反応が答えです

学校の先生に「この会社どう思いますか」と聞くのも有効です。

過去に卒業生を送り出した会社なら、その後どうなったかを知っている場合があります。

自分がもし18歳に戻れるなら、給料の額より先に、この項目を確認します。

もう働いていて「おかしいかも」と思ったら

もう働いていて「おかしいかも」と思ったらを表すイメージ

すでに就職していて、この記事にたどり着いた人へ書きます。

先に書いたとおり、中にいると判断できません。

なので基準を外から持ってきてください。

ひとつでも当てはまるなら、その職場は普通ではありません。

  • 残業代が全額支払われていない
  • 休日にも仕事の連絡が来て、対応しないと責められる
  • 怒鳴られる、物を投げられる、手が出る
  • 出勤前に体調が悪くなる、眠れない、動悸がする
  • 「うちの業界では普通」と言われて説明が終わる

とくに4つ目は、体が先に答えを出しているサインです。

自分の場合は引き継ぎの1時間前から動悸が止まりませんでした。

あれは我慢するものではありませんでした。

やれることは3つあります。

  • 労働基準監督署、または総合労働相談コーナーに相談する(無料)
  • 求人を見て、他の会社の条件と比べてみる(比較材料を手に入れる)
  • 自分から言い出せない場合は、退職を代わりに伝える手段もあります

辞めると決めなくて構いません。

まず外の情報に触れるだけで、自分の職場が普通かどうかがわかります。

自分はそれをしなかったので、10年かかりました。

よくある質問

よくある質問を表すイメージ

高卒で就職すると負け組になりますか?

学歴で決まることではありません。

決まるのは、働く環境と、そこで何を積み上げたかです。

実際に自分は、転職先で大卒の同僚よりボーナスの評価が高かったことがあります。

現場では学歴より仕事の内容を見られます。

高卒だと大手企業には入れませんか?

新卒の総合職では大卒中心の募集になることが多いです。

ただ、製造・設備保全・技術系の現場職では高卒採用を続けている大手もあります。

入り口が違うだけで、道がないわけではありません。

高卒で就職したことを後悔していますか?

就職を選んだこと自体は後悔していません。

奨学金を背負わずに働き始められたので。

後悔しているのは、最初の会社をよく調べずに決めたことと、異常な環境に10年いたことです。

後悔の対象は学歴ではなく会社選びでした。

働きながら大学に行くことはできますか?

通信制大学や夜間部を利用して学び直す人はいます。

ただ交替勤務や残業が多い職場だと、時間の確保が難しくなります。

学び直しを考えているなら、勤務形態も会社選びの条件に入れておくと現実的です。

入った会社が合わなかったらどうすればいいですか?

早く動いた方が選択肢は多く残ります。

合わないと感じた理由を書き出して、それが会社側の問題なのか、仕事内容の問題なのかを分けてみてください。

残業代が出ない、暴力があるといった場合は、我慢して解決する話ではありません。

まず外に相談してください。

【まとめ】あなたの10年を、気づかないまま使わないでほしい

まとめあなたの10年を、気づかないまま使わないでほしいを表すイメージ

高卒就職は「やめとけ」ではありません。

学歴が結果を決めるわけではないからです。

決めるのは最初に入る会社です。

そして18歳の時点では、その会社が普通かどうかを判断する材料を持っていません。

自分は持っていませんでした。だから残業代の出ない残業も、手が出ることも、「厳しい職場」だと思って10年過ごしました。

異常だと気づいたのは、外に出たあとでした。

中にいる限り、比べる相手が手に入らないからです。

だから、これから就職する人には求人票の見方を持っていってほしいです。

そしてもう働いている人には、辞める決断より先に、外の情報に触れてほしいと思っています。

求人を見るだけ、誰かに相談するだけで構いません。

自分は10年かけて気づきました。

あなたは、その10年を使わなくていいはずです。

【参考】

  • 労働基準法第26条(休業手当)、第37条(割増賃金)
  • 厚生労働省 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局・労働基準監督署内に設置、無料)

この記事は筆者の実体験をもとに執筆しています。
労働環境や転職の結果は個人の状況により異なります。
労働条件に関する具体的な判断は、労働基準監督署や専門家にご相談ください。

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