夜勤明けの朝、布団に入っても眠れない。
やっと眠れたと思ったら、2〜3時間で目が覚める。
せっかくの休みなのに、寝ているだけで終わる。
この働き方、あと何年続けられるんだろう…
そう思って、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。
交代勤務がきついのは、単純に「慣れが足りないから」とは言えません。
勤務によって睡眠・覚醒の時間帯が変わることで、体内のリズムとのズレが生じることがあるからです。
そして辞めどきは、限界まで我慢してから決めるものでもありません。
自分は高卒で工場に入り、3交代の現場に10年以上いました。
若い頃は夜勤明けでも8時間くらい眠れました。
30代に入ると夜勤明けに寝ても、2〜3時間おきに目が覚めました。
仕事の中身は何も変わっていないのに、体の反応だけが変わりました。
この記事では、その変化と、自分がどこを辞めどきと考えるようになったかを書きます。
辞めろとは言いません。
ただ、判断の基準は持っておいたほうがいいと思っています。
こんな状態なら、この記事が判断の材料になるはずです。
- 夜勤明けに、以前ほど眠れなくなった
- 休日が寝ているだけで終わる
- 夜勤手当はほしいけれど、体がきつい
- 「あと何年この働き方を続けるんだろう」と考えることが増えた
- 辞めたいけれど、収入が下がるのが怖い
1つでも当てはまるなら、続けるか辞めるかを決める前に読んでみてください。
- 交代勤務がきついのは慣れの問題ではない理由(公的な説明つき)
- 10年続けて実際に起きた、体の変化
- 「もう限界かも」と感じたときのサインと、受診の目安
- 辞める前にできることと、限界を待たずに辞めどきを決める基準
きついのは、慣れの問題ではありません

周りの人にそのうち慣れると言われたことはありませんか?
自分も何度も言われました。
たしかに、最初の数年はある程度慣れます。
眠り方の工夫も覚えます。
ただ、生活のやり方に慣れることと、体内時計とのズレがなくなることは別だと感じています。
人の体には、睡眠や覚醒に関わる体内時計があります。
交代勤務では、日勤・夕勤・夜勤と眠る時間帯も活動する時間帯も入れ替わるため、このリズムとのズレが生じやすくなります。
気合いや根性でどうにかなる部分ではありません。
だから、きついと感じている自分を責める必要はないです。
まずここを置いてから、先に進みます。
この記事は工場勤務の体験をもとにしています。
ただ、交代勤務による睡眠や生活リズムの悩みは、業種が違っても共通する部分があります。

まわりは普通に働いているのに、自分だけしんどいのがつらいです



同じシフトでも、しんどさは人によってまったく違います。
自分も同期が平気そうにしているのを見て、劣っている気がしていました。
単に体質と年齢の差です
これは気のせいではありません 「交代勤務睡眠障害」という言葉があります
「夜勤明けに眠れない」「途中で何度も目が覚める」という自分の状態について調べてみると、厚生労働省のe-ヘルスネット(交代勤務睡眠障害)に交代勤務睡眠障害という言葉がありました。
そこでは「交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化することにより、睡眠をはじめ精神・身体機能の障害がもたらされる症状」と説明しています。
症状として挙げられているのが、次のようなものです。
- 夜間の勤務を終えて朝方から睡眠をとる際に、なかなか寝付けない
- 寝付いても何回も途中で目が覚める
- 起床後に疲労回復感が乏しい
- 夜間勤務の時間帯に眠気があり、注意を集中しづらい
- 作業能力が落ちる
2つ目を読んだとき、自分の状態とよく似ていると思いました。
自分で診断できるものではありませんが、少なくとも気のせいではなかったと分かりました。
原因も説明されています。
体温やホルモンのリズムは、夜勤に合わせた睡眠スケジュールに完全には同調しません。
つまり寝る時間をずらしても、体の中のリズムはついてこない。
そのズレが不調につながる、という仕組みです。
同じくe-ヘルスネット(厚生労働省)では、交代勤務に従事している人は不眠や眠気のほか、胃腸の不調や生活習慣病のリスクが高いことが知られている、とも書かれています。
脅かすつもりはありません。
ただ、これは根性や慣れの問題ではなく、体の仕組みの問題だという裏付けにはなります。
自分を責める必要がないことの、これが一番はっきりした理由です。
自分がやっていた交代勤務(3交代・1週間ごとに勤務帯が変わる)


自分がいるのは3交代の現場でした。
日勤、夕勤、夜勤の3つを、1週間ごとに入れ替わる回り方をしています。
今週が日勤なら、来週は夕勤、その次は夜勤。
これを10年以上繰り返してきました。
1週間ごとという周期が、実際にはかなり効きます。
体がその勤務帯に慣れかけたころに、次の勤務帯へ移るからです。
日勤に体が戻ったと思ったら夕勤が来て、夕勤の眠り方を覚えたころに夜勤が来る。
ずっと時差ボケの中にいるような状態です。
2交代と3交代では、勤務の回り方そのものが違います。
どちらがきついかは、1回の勤務時間、休日の入り方、勤務帯の切り替わり方によって変わります。
単純にどちらが楽とは言えません。
体は10年で変わる。若い頃と同じようには眠れない


ここが、この記事で一番伝えたいところです。
入った当初、自分は「交代勤務は慣れれば大丈夫」だと思っていました。
実際、若い頃は夜勤明けに布団へ入れば、そのまま8時間くらい眠れました。
目覚ましが鳴るまで起きません。
休みの日もふつうに出かけていました。
10年以上続けた今は違います。
夜勤明けに寝ても、2〜3時間おきに目が覚めます。
そのたびに時計を見て、また目をつぶる。
合計の睡眠時間は同じくらいでも、まとまって眠れていないので、起きたときの回復がまるで違います。
仕事の中身は変わっていません。
同じ工場、同じ3交代です。
変わったのは自分の体のほうでした。
これに気づいたとき、考え方が変わりました。
今きついかどうかだけでなく、5年後10年後の自分が同じ働き方に耐えられるのか。
そこまで含めて判断する必要があるのだと思うようになりました。
若い人ほど、この話は実感しにくいと思います。
ただ、今なんとかなっているのは、体力がまだ残っているからかもしれません。
交代勤務がきつい理由を、生活の面から整理する


体の仕組みは先に書いたとおりです。
ここでは、生活として何が起きるかを3つに分けます。
① 生活のリズムが定まらない
1週間ごとに勤務帯が変わるので、起きる時間も寝る時間も毎週変わります。
食事の時間もずれます。
体は決まったリズムがあるほど楽なので、そこが定まらないだけで消耗します。
② 眠りの質が落ちる
夜勤明けに眠るのは、明るい時間に、生活音のある中で寝るということです。
時間の長さは確保できても、深さが足りません。
ここが年齢とともに効いてきます。
③ 休日が回復に消える
自分の場合、休みの日はまず寝ます。
起きたら夕方で、それから何かをする気力が残っていません。
休んだはずなのに、休んだ感じがしない。
この状態が続くと、何のために働いているのか分からなくなってきます。


続けるためにやっていること
実際に効いたものだけ書きます。
アイマスクと耳栓です。
夜勤明けの睡眠で一番の敵は、日中の光と生活音でした。
カーテンを閉めても部屋は完全には暗くなりませんし、外の車の音や近所の物音は入ってきます。
この2つを使うようになってから、寝つきは明らかに変わりました。
安いもので十分です。
耳栓は自分の耳に合う形かどうかだけ確認してください。
合わないと痛くて外してしまい、意味がなくなります。
これで完全に解決するわけではありません。
2〜3時間おきに目が覚める状態そのものは残っています。
それでも、何もしないよりは眠れます。
よく紹介される「カフェインを控える」「寝る前にスマホを見ない」も、やって損はありません。
ただ、それで解決すると期待しすぎると、効かなかったときに自分を責めることになります。
工夫はあくまで対症療法です。



工夫しても駄目なら、自分に向いていないということですか



向き不向きというより、体の相性です。
10年続けた自分でも今の状態なので、工夫で全部を消すのは無理だと思っています
10年続けて分かった「もう限界かも」と感じるサイン


自分が感じてきた変化を、進み方の順に3段階で並べます。
今の自分がどこにいるかを確かめてみてください
レベル1:まず睡眠環境を見直したい段階
- 寝つきが悪くなってきた
- 日中に眠りにくい
- 休日に寝ている時間が増えた
この段階なら、睡眠環境を整えることから始めてもいいと思います。
アイマスクや耳栓を試すのはここです。
レベル2:働き方を見直したほうがいい段階
- 夜勤明けの疲れが、次の勤務まで残る
- 休日が回復だけで終わる(寝て起きたら夕方で、何もできない)
- 日勤の週にも疲れが抜けない
- 「あと何年これを続けるんだろう」と考えることが増えた
自分はここで転職を考えました。
最後の1つは体ではなく気持ちの話ですが、この考えが浮かぶようになった時点で、すでに体はサインを出しているのだと思います。
このレベルは、工夫だけで戻すのが難しくなってきた段階です。
辞めるかどうかではなく、働き方そのものを考え始めるタイミングだと考えています。
レベル3:無理して続けないほうがいい段階
- 勤務中に強い眠気があり、注意が続かない
- 通勤の運転中に、眠気で危険を感じた
- 注意力が落ちて、ヒヤリとすることがある
- 休んでも体調が戻らない日が続いている
先に紹介したe-ヘルスネットでも、夜間勤務の時間帯の眠気や注意集中の困難、作業能力の低下は交代勤務睡眠障害の症状として挙げられています。
工場でも車でも、眠気は事故に直結します。
ここに当てはまるなら、様子を見るより先に、産業医や医療機関に相談してください。
会社に産業医がいなければ、かかりつけ医や睡眠外来でも構いません。
この3段階は、急に進むものではありません。
だから多くの人が見送ってしまいます。
倒れるほどではないから、まだいけると判断してしまう。
自分もそうしてきました。
レベル2のうちに動けるかどうかが分かれ目です。
辞める前にできること:日勤への異動を相談する


辞めるか続けるかの2択で考えていませんか?
自分はしばらくそうでした。
実際には、同じ会社の中で日勤の部署へ移るという道があります。
工場でも、品質保証、生産管理、保全の事務側、資材や購買など、日勤中心の部署があることは珍しくありません。
相談するときのコツが1つあります。
「きついので変えてください」ではなく、体の状態を具体的に伝えることです。
- 夜勤明けの睡眠が以前と変わったこと
- 日勤の週にも疲れが残るようになったこと
- 続けたい気持ちはあること
会社としても、体調を崩して辞められるより、配置を変えて続けてもらうほうが助かります。
相談する相手は直属の上司でなくても構いません。
人事や産業医のほうが話しやすいこともあります。
異動が通るとは限りませんし、日勤になれば夜勤手当は消えます。
それでも、辞める前に一度は確認しておく価値がある選択肢です。
ここを飛ばして辞めると、あとで「言うだけ言えばよかった」と思うかもしれません。
社内の異動ではなく、転職して夜勤のない仕事に移る場合は、交代勤務の経験をどう伝えるかが重要になります。
工場勤務から夜勤なしの仕事へ転職する方法!年収を下げない3つの対策


交代勤務の辞めどきは「限界」ではなく、準備で決める


10年以上続けてきたからこそ、若い頃と同じようにはいかないと感じる場面が増えました。
だから今は、限界まで我慢してから辞めるのではなく、どんな状態になったら辞めるのかを先に決めておくようになりました。
判断は、体・生活・お金の3方向で見ています。


5番目を入れているのが、自分なりの答えです。
体がきついという理由だけで動くと、収入が落ちて別の苦しさが来ます。
交代勤務の手当は、月々の生活に組み込まれている人が多いはずです。
辞めたい気持ちと、辞められる状態は別物です。
逆に言えば、5番の準備を始めた瞬間から、辞めどきは自分で決められるようになります。
限界が来るのを待つ必要がなくなるからです。
辞める前に、確認しておきたい3つの数字


勢いで決めないために、先に数字を見ておくことをおすすめします。
① 夜勤手当が抜けたら、手取りがいくらになるか
給与明細を見て、交代勤務に関する手当を全部引いてみてください。
それが日勤だけになったときの、おおよその手取りです。
たとえば手当が月4万円なら、年間で48万円の差になります。
この数字を知らずに動くと、あとから効いてきます。
② その金額で生活が回るか
家賃、車の維持費、生活費を並べて、①の金額と比べます。
足りないなら、辞める前にやることは転職活動ではありません。
支出の見直しか、手当以外で収入を補う方法を探すことが先です。
③ 日勤の仕事で、今の経験がどう評価されるか
交代勤務を続けてきた経験は、転職先によってはアピール材料になります。
たとえば、規則正しい勤務を長期間続けてきたことや、安全ルールを守りながら仕事をしてきた経験です。
自分の市場価値がゼロだと思い込む必要はありません。
この3つを確認したうえで、それでも辞めると決めたなら、その判断は感情ではなく準備に基づいたものになります。
工場勤務から夜勤なしの仕事へ転職する方法!年収を下げない3つの対策


よくある質問


【まとめ】あと何年やれるかは、自分で決めていい


交代勤務がきついのは、単純に「慣れが足りないから」とは言えません。
勤務によって睡眠・覚醒の時間帯が変わることで、体内のリズムとのズレが生じることがあるからです。
厚生労働省も、それを交代勤務睡眠障害として説明しています。
自分は10年以上続けてきて、若い頃は8時間眠れた夜勤明けに、今は2〜3時間おきに目が覚めるようになりました。
仕事は変わっていません。
変わったのは自分の体です。
だから今は、限界まで我慢して決めるのではなく、どんな状態になったら辞めるのかを先に決めておくようにしています。
体の変化、休日の使い方、そして夜勤手当がなくても生活できる準備。
この3つが揃ったときが、自分にとっての辞めどきです。
やることは難しくありません。
まずは給与明細を開いて、交代勤務の手当がいくらか確認するところからで十分です。
それが分かれば、辞めどきは会社ではなく自分の側にあります。
今すぐ辞める必要はありません。
ただ、あと何年やれるかを、体が壊れてから決めるのではなく、自分で決めておいていいと思っています。
【高卒が工場から転職する完全ガイド】おすすめの仕事と成功手順


【出典】
厚生労働省 e-ヘルスネット「交代勤務睡眠障害」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-017.html
この記事は筆者の実体験と公開情報をもとに執筆しています。
睡眠や体調の感じ方には個人差があり、この記事は診断を目的としたものではありません。
体調に不安がある場合は、産業医や医療機関にご相談ください。






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